【初心者向け】UiPathによるRPA実装19 経費申請入力業務の自動化(事前準備とアプリケーション起動自動化)

前回までの記事では、1つテーマを設定して、それを解決するための処理を徐々に自動化していくことで、UiPathの使い方を紹介しました。

今回からまた別のテーマを設定して、これまで説明できていなかったUiPathの使い方を紹介したいと思います。

テーマですが、例えばある会社の経理部で、「全社の社員から経費申請用のExcelファイルを受け取って、内容を確認の上、専用のアプリケーションにExcelに記載された内容を入力する」という業務を行っているとします。

今回から数回に分けて、このExcelファイルからアプリケーションへの入力作業を自動化して行きたいと思います。

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経費申請アプリケーションの準備

アプリケーションに関する制約事項

さて、今回の記事を書くにあたり、KivyというPython用のGUIフレームワークを使用して、簡単な経費申請用のアプリケーションを作成しました。後ほどアプリケーションの利用方法について説明しますが、利用する上で何点か制約事項がありますので、まずその内容を説明させて下さい。

①仮想環境で動きません

これまでのテーマでは、VirtualBoxにWindow 10の仮想環境を構築し、その上でUiPathを動かしてきました。(環境の構築については、以下の記事をご参照下さい)

以前、RPAとは何かについて、簡単に記事を書かせて頂きました。ただ、実際に触れてみないことにはなかなかイメージも沸かないものと考え、今回から...
さて、前回の記事では、仮想化環境を作成するための前提となる仮想化ソフトウェア、「VirtualBox」の導入について紹介しました。 今...
さて、今回は前回作成した仮想マシンに、ゲストOSを導入する方法を説明したいと思います。なお、導入するWindowsをお持ちでない方のために、...
さて、今回はVirtualBox上のゲストOSをより快適に使うために必要な、「VirtualBox Guest Additions」というツ...

しかしながら、今回のアプリケーションは基本的にこの仮想環境上で起動できません。そのため、本記事に沿って実際に自動化を進めるためには、ローカル側にUiPathを導入し、そちらをお使いになるようお願いします。

なおご参考まで、この原因は、前述のKivyで作成するアプリケーションが「OpenGL」というグラフィック描画用ライブラリのバージョン2.0以上を稼働要件としている一方、VirtualBox上のWindows 10ではバージョン2.0以上のサポートがされていないためです。

どうしても仮想環境で試してみたい方は、以下の記事にOpenGL2.1を導入する手順をまとめていますので、ご参照下さい。ただし、描画が非常に遅い等の問題がありますので、あまりおすすめはしません。

このブログで書いているUiPathの記事をお読みになられている方はご存知の通り、VirtualBoxにWindows 10 Enterpri...

②日本語直接入力ができません

これもKivyに依存する問題なのですが、文字入力欄に日本語を直接入力することができません。しかし、メモ帳やExcel等に記載されている日本語文字列をコピペすることは可能なため、本記事内容を実際に試してみる上では支障ありませんのでご容赦下さい。

③ファイルサイズが大きめです

KivyアプリケーションからWindows用の実行ファイルを作成する際、PyInstallerというモジュールを使用していますが、本来であれば稼働に不要なPythonモジュールもまとめて実行ファイルに含めてしまうため、シンプルなアプリであるにも関わらず、ファイルサイズが少し大きめ(20MB強)となっています。

アプリケーションのダウンロード

上記制約をお読みになられてご了解いただける場合は、アプリケーションをダウンロード下さい。

ファイルはzip形式でGitHubにアップしています。以下のリンク先から”expense.zip”というファイルをダウンロードし、任意の場所に解凍下さい。

GitHub ( 経費申請アプリケーションダウンロードリンク )

ダウンロード方法ですが、開かれるページの”expense.zip”をクリックし、続くページにて「Download」ボタンを押すことによりダウンロードできます。

アプリケーションの仕様について

UiPathの自動化を進める前に、このアプリケーションの仕様について簡単に説明します。

まず、ダウンロードファイルを展開して表示されるexeファイルが実行ファイルです。こちらをダブルクリックして開くと、ログイン画面が表示されます。

なお、初めてアプリケーションを起動する際、お使いの環境によっては「WindowsによってPCが保護されました」と表示される場合があります。

この場合、画面上の「詳細情報」をクリックの上「実行」ボタンを押すことにより、以降、通常通り起動することができるようになります。

さて、ログイン画面の説明に戻りますが、この画面では「ユーザID」、「パスワード」ともにtestと入力して「ログイン」ボタンを押します。それ以外の文字列ではログインができません。

ログインすると、経費情報を入力する画面に遷移します。各項目を入力して「申請」ボタンを押すと、実行ファイルが置かれているフォルダ内に”expense.txt”というファイルが作成され、入力された内容がそのファイルにタブ区切りで記録されます。なお、すでにこのファイルがある場合は、既存ファイル中に入力内容が追記されます。

この申請入力を、受け取った申請分すべて入力し、終了したらウインドウ右上の「×」マークにてアプリケーションを終了します。

これが、このアプリケーションの簡単な説明です。

アプリケーション起動の自動化

さて、このままUiPathと関係のないアプリの説明で記事を終わらせてしまうのも申し訳ないので、せめて、このアプリケーション起動の自動化まではご紹介したいと思います。

なお、これまでの記事では「Sequence」というActivityでやりたい操作をつなげて、自動化を進めてきましたが、今回は「Flowchart」というActivityを使ってみたいと思います。

「Flowchart」Activityの設置

まずはプロジェクトを作成し、Activitiesペインから「Flowchart」Activityを検索します。見つかったら、それを中央の領域にドラッグ&ドロップして下さい。

すると、Flowchartボックスが表示されます。上部に「Start」と書かれたアイコンがありますが、この下にSequence等をつなげていくことにより、Flowchart Activityでは処理を自動化していきます。

アプリケーション起動処理の追加

続いて、経費申請アプリケーションの起動処理を追加します。追加のためには以前紹介したレコーディング機能を使います。

アプリケーションをあらかじめ起動しておいた上で、UiPathの「Recording」→「Basic」を選択し、開かれるウインドウで「Start App」ボタンを押し、立ち上げたアプリケーションのウインドウをクリックします。

詳細な手順を忘れてしまった方は、以下の記事をご参照下さい。

前回はGoogle検索結果をCSVファイルに落とし込むところまでの自動化を行いました。しかしながらExcelで開いてみると、見た目が酷いもの...

すると、Flowchartボックスの中に「Recording Sequence」というボックスが追加されますが、これが今自動化したアプリケーションの起動処理です。

ただし、Flowchart Activityを使う場合、このままでは処理が進みません。追加したボックスを「Start」アイコンにつなぐ必要があります。

「Start」アイコンにカーソルを当てると、四方に小さなボックスが表示されます。

このうち、下部のボックスにカーソルを当てて、マウスのボタンを押したまま「Recording Sequence」ボックスに向けてドラッグします。するとこのボックスにも小さなボックスが表示されますので、「Recording Sequence」ボックス上部の小ボックスにカーソルが当たったところでボタンから指を離して下さい。すると、「Start」アイコンと「Recording Sequence」が矢印でつながります。

ついでに、「Recording Sequence」ボックスをドラッグして、「Start」アイコンの真下に持ってきましょう。

ここまでの操作を行うと、画面上は以下のようになっているはずです。

さらに、もうひと手間かけてみましょう。

Flowchartを使う場合、基本的にSequenceが数多く並ぶことになりますが、最終形のフローを見たときに、どこでどのような処理が行われているのかさっぱり分からなくなることがあります。そのため、各Sequenceに処理内容を表す名前を付けておくと良いです

例えば、先ほど追加した「Recording Sequence」の名称を”経費App起動”にしてみましょう。

「Recording Sequence」ボックスのタイトル部分をクリックすると、名称が編集できますので、”経費App起動”と入力します。

こうすると、UiPathで何をやっているのか、あとあと分かりやすそうですね。

テスト実行

さて、ここでこれまで自動化した処理を実行してみましょう。

実行はSequenceを使っていた時と同様、UiPathウインドウ上部のRunボタンを押すだけです。

経費申請アプリケーションが起動したら、自動化作業は無事完了です。

終わりに

今回の記事では、前提となる経費申請アプリケーションの説明に基本的には終始してしまいました。が、次回からは今回追加したボックスの下に処理をつなげていきながら、これまで紹介できていなかったUiPath機能の使い方を順次説明していければと思います。