【初心者向け】KivyによるWindowsアプリ作成1 Miniconda導入とKivy用仮想環境の作成

機械学習という言葉、そして、そのためにPythonというプログラミング言語がよく使われることを聞いたことがある方は少なくないでしょう。その一方、「Kivy」という、WindowsやiOS、Android等、様々なプラットフォーム上で動くGUIアプリケーションを比較的簡単に作成することができるPython用のフレームワークを聞いたことがある方は少ないのではないでしょうか。(注:現状、iOSアプリはMacが無ければ実機への転送やアプリの公開はできません。)

今回から数回に分けて、この「Kivy」を使ったプログラミング方法について紹介したいと思います。

第1回目は、Pythonを実行する土台となる「Miniconda」というパッケージ導入方法と、Kivyを動かす仮想環境の作成方法を紹介します。

なお、記事ではOSとしてWindows 10 64bit版を使っています。お使いのOSによっては多少読み替えが必要な箇所がある場合もあると思いますので、どうかご留意ください。

また、以前UiPathに関する記事を書いた際、VirtualBox上にWindows 10を導入する手順を紹介しました。

以前、RPAとは何かについて、簡単に記事を書かせて頂きました。ただ、実際に触れてみないことにはなかなかイメージも沸かないものと考え、今回から...
さて、前回の記事では、仮想化環境を作成するための前提となる仮想化ソフトウェア、「VirtualBox」の導入について紹介しました。 今...
さて、今回は前回作成した仮想マシンに、ゲストOSを導入する方法を説明したいと思います。なお、導入するWindowsをお持ちでない方のために、...

しかしながら、VirtualBoxでは現在ダウンロードできるバージョン5.1.3において、Kivy稼働の前提となる「Open GL 2.0」以上のサポートがされておらず、基本的にKivyを動かすことができません。ですので、Kivyを使う際にはご自身のPCに直接インストールするか、以下の記事で紹介している、Hyper-VあるいはVMWare Workstation Player上の仮想マシンに導入して下さい。

以前、このブログで少し書いたのですが、VirtualBoxにWindows 10 Enterpriseを導入して、その上で「Kivy」という...
過去の記事でいくつか書きましたが、OpenGL2.0以上が利用できる仮想環境を構築するために、ホストマシン上のWindows 10 Proに...

ちなみに、VirtualBox上で動かす方法がないわけではないのですが、動作も遅く、あまりお勧めしません。興味のある方は、以下の記事にやり方をまとめていますので、ご参照ください。

このブログで書いているUiPathの記事をお読みになられている方はご存知の通り、VirtualBoxにWindows 10 Enterpri...
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Minicondaの導入

Minicondaの概要

まずはPythonでプログラムを組むための土台となる、「Miniconda」というパッケージについて簡単に紹介します。

Pythonでプログラムを書く場合、もちろんPythonそのものがお使いのPCに入っていなければなりません。しかしながら、Pythonだけが入っていれば良いかというと、そういうわけではありません。

なぜなら、通常Pythonで作るプログラムは、「ライブラリ」と呼ばれる「よく使う機能」を集めたパッケージを組み合わせて作ることが一般的で、この「ライブラリ」は基本的にはPython本体とは別に導入する必要があるからです。

この「ライブラリ」には、非常に多くの種類があるのですが、使いたいライブラリをゼロから選んで1つ1つ導入するのもかなり手間な作業です。

ここで使うのが「Miniconda」というパッケージです。

MinicondaはPython本体に加えて、よく使われるライブラリ群もひとまとめにしたパッケージです。ですので、Pythonでプログラミングを始めるためには、このMinicondaを導入するのが手軽でよいでしょう。

なお、同様のパッケージにAnacondaというものもあります。こちらはMinicondaと比較して、より多くのライブラリが初めから含まれています。しかしながら、今後、Pythonが導入されていないWindowsでも動くアプリケーションの作成方法を紹介する予定なのですが、Anacondaを使用していると作成するアプリケーションのサイズが非常に大きなものとなってしまいます

そのため、本記事ではAnacondaではなくMinicondaを使って作業を進めて行きます。

Minicondaの導入方法

それではさっそくMinicondaをお使いのPCに導入する方法を紹介します。

まずは以下のリンク先から、Miniconda公式サイトのダウンロードページにアクセスします。

Miniconda公式サイト

サイトの中ごろにダウンロードリンクがありますので、お使いのOSに合わせて適切なファイルを選択して下さい。

なお、Pythonには現在バージョン3系とバージョン2系の2つがありますが、2系は2020年にサポートが終了することもあり、よほどの事情がない限りは3系を選ぶのが良いと思います

リンクをクリックするとインストーラのダウンロードが始まります。ダウンロードが完了したら、インストーラをダブルクリックして開いてください。表示されるウインドウで「Next」を押して先に進みましょう。

続いて、Minicondaのライセンス条項が表示されます。内容を確認の上、「I Agree」ボタンを押して先に進みます。

次に、Anacondaを自分だけで使うか、お使いのPCに登録されている全てのユーザが使えるようにするかを選択します。ここでは自分だけが使うという想定のもと、「Just Me」が選択されたデフォルトの状態で「Next」ボタンをクリックします。

次は、Minicondaを導入するフォルダの指定に移ります。特に事情がない限りは、デフォルトのままでよいでしょう。「Next」ボタンで先に進みます。

続いて、詳細なインストールオプションの選択を行います。こちらもデフォルトのままで構いませんので、「Install」ボタンをクリックして下さい。

Minicondaの導入が始まります。環境によっては数分程度、時間がかかるかと思いますが、うまく導入できることを祈りながらリラックスして待ちましょう。

導入が完了すると「Completed」と表示されます。「Next」ボタンを押して先に進めます。

すべて完了すると、以下の画面が表示されます。2つある項目にチェックを付けるとMinicondaについて追加的な情報を見ることができますが、ここでは両方ともチェックを外して、「Finish」ボタンにより導入作業を終了します。

Kivy用仮想環境の作成

Minicondaにおける仮想環境とは

本ブログでは何度か、VirtualBox、Hyper-V、VMWareによる仮想環境の構築方法について触れました。これらは、お使いのPC上に仮想ハードウェアを用意し、その上で別のOSを動かすという仮想化形式でした。

しかしながら、Minicondaにおける仮想環境はこれとは意味合いが異なります。

Minicondaでの仮想環境とは、pythonの特定バージョンと使いたいライブラリをひとまとめにしたものです。例えば、Miniconda上のある仮想環境では、使用するPythonのバージョンを2.7、導入するライブラリはAライブラリとBライブラリとし、別の仮想環境ではpython3.6を使い、導入するライブラリはA, C, Dライブラリの3つ、などという使い方ができます。

なぜ、このような仮想環境が必要なのかという理由ですが、まず冒頭で紹介したように、pythonは現在2系と3系があります。これらバージョン間では一部互換性がないため、python2系上で稼働するプログラムが3系上では動かないということもあります。また、導入されているライブラリについても同じようにプログラムの稼働可否に影響を及ぼすことがあります。

そのため、pythonプログラムを作成して動かすためには特定の仮想環境を作成し、その上でプログラムを作成するのが無難です。

condaによる仮想環境の作成

さて、仮想環境の構築ですが、「conda」というコマンドを使います。

condaとはMinicondaに同梱されているプログラムで、仮想環境を作成したり、ライブラリの管理を行うことができます

仮想環境を構築するためには、まず、「Anaconda Prompt」というものを開きます。(Miniconda Promptではないので、ご注意下さい。)これは、Miniconda関連の実行ファイルに対してパスが設定されているコマンドプロンプトです。

Anaconda Promptが立ち上がったら、まずはconda自体を最新化しておきましょう。

> conda update conda

condaでは「conda update “更新したいライブラリ名”」という構文で、既に導入されているライブラリを最新化することができます。もしも導入されているバージョンよりも新しいバージョンが公開されている場合「Proceed ([y]/n)?」と表示されますので、yと入力後エンターキーを押すことで処理を進めることができます。

続いて仮想環境を作成しましょう。

> conda create -n kivy python=3.6

仮想環境作成時の構文は、「conda create -n “仮想環境名” python=”仮想環境で使いたいpythonのバージョン”」です。

しばらく待つと仮想環境が作成されます。作成された環境を確認してみましょう。

> conda info -e
# conda environments:
#
kivy                 C:\Users\"ユーザ名"\Miniconda3\envs\kivy
root                 C:\Users\"ユーザ名"\Miniconda3

存在する環境を一覧表示するには、「conda info -e」と入力します。

入力すると、kivyから始まる行とrootから始まる行が表示されると思います。kivy行は今作成した環境を、root行は大本の環境を意味しています。仮想環境で作業を行うためには、まずその環境に入らなければなりませんが、入っていない状況ではこの大本のroot環境でプログラムの実行等が行われます。

さて、仮想環境が作成できたところで、この環境に入ってみましょう。

> activate kivy

(kivy) >

仮想環境に入るためには、「activate “環境名”」と入力します。するとプロンプトの先頭に(“環境名”)が表示され、仮想環境内で作業ができるようになります。

環境から抜けるためには単に「deactivate」と入力します。

(kivy) > deactivate

>

終わりに

今回はKivy実行環境の構築方法について紹介しました。

次回は作成した仮想環境上にKivyとプログラムを導入し、kivyが提供しているサンプルのアプリケーションを動かしてみたいと思います。

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