今回は、ブログシステム構築の過程で使用したコマンドを中心に、基本的なLinuxコマンドを紹介させて頂き、具体的にどういう操作をやっていたのかイメージをつかんで頂ければと思います。
なお、書き出したところ分量が多くなってしまったため、2回に分けて紹介します。
また、本記事は初心者の方向けですので、かなり基本的なコマンドから説明させて頂きます。
自分が今どこのディレクトリにいるのかを調べる pwd コマンド
$ pwd /home/ec2-user
上の例では、自分が今/home/ec2-userディレクトリにいることが分かりました。なお、自分が今いるディレクトリのことを、「カレントディレクトリ」と言います。
ディレクトリに含まれているファイル/ディレクトリを表示する ls コマンド
$ ls latest-ja.tar.gz
このように実行すると、カレントディレクトリ (/home/ec2-user) 内に存在するファイル/ディレクトリが表示されます。
別のディレクトリに移動する cd コマンド
$ cd /var/www/html $ pwd /var/www/html /* 今いるディレクトリが/var/www/htmlに切り替わっている */
上の例では、”/var/www/html”ディレクトリに移動しています。
なお、”cd ..”とcdの後にスペースとピリオド2つを打つことで、一つ上位のディレクトリに移ることができます。これも非常によく使います。
ファイルを削除する rm コマンド
$ ls test $ rm test $ls $
上の例では、rmコマンド実行前には”test”というファイルがありましたが、rmコマンドを使用することによりこのファイルが削除されていることがわかります。なお、このコマンドではディレクトリを削除することができませんが、”rm -r ディレクトリ名”とするとディレクトリも削除することができます。
テキストファイルの中身を見る less コマンド
$ less testfile
このようにすると、”testfile”に記載されている中身を見ることができます。終了するには”q”と入力します。
圧縮ファイルを展開する tar コマンド
$ ls latest-ja.tar.gz $ tar xzvf latest-ja.tar.gz $ ls latest-ja.tar.gz wordpress
上の例では、はじめ”latest-ja.tar.gz”というファイルしかありませんでしたが、tarコマンドを使用することによりこのファイルが展開され、”wordpress”というディレクトリが作成されています。
なお、展開前のファイルには”tar.gz”という拡張子がついていますが、この”tar”は元のファイル/ディレクトリ群をtarボールという形式の1まとまりのファイルにしていること、”gz”とは、このtarボールのファイルサイズを小さくするよう、gzipというソフトウェアで圧縮していることを意味しています。
また、”tar”にしているオプション”xzvf”の意味は、それぞれ以下の通りです。
- x : tarボールを展開して、もとのファイル/ディレクトリ群に戻す
- z : gz形式のファイルをgzipを使って解凍する
- v : 処理の進行状況を表示する(上の例では省略していますが、vオプションを指定すると、実際は解凍されたファイル群が画面上に羅列されます)
- f : 展開/解凍対象のファイルをコマンドの後に指定する。
今後、tar.gz形式のファイルを展開するときには、このオプションを使っておけば基本的に間違いないでしょう。
ファイルをコピーする cp コマンド
$ ls latest-ja.tar.gz wordpress $ cp latest-ja.tar.gz test.tar.gz $ls latest-ja.tar.gz test.tar.gz wordpress
上の例では、”latest-ja.tar.gz”というファイルを”test.tar.gz”というファイル名でコピーしています。
なお、前回までの記事中に、wordpressディレクトリの中身全てをcpコマンドによりコピーする箇所がありましたが、その際は、wordpressディレクトリ内で”cp -r * /var/www/html”というコマンドを実行しました。これは、-rを付けることにより、コピー対象をファイルだけではなくディレクトリも対象としつつ、wordpress内の全ファイル/ディレクトリ (*) を/var/www/htmlディレクトリにコピーするという意味になります。
インターネットからファイルを取得する wget コマンド
$ wget http://ja.wordpress.org/latest-ja.tar.gz
“wget”の後にダウンロードしたいファイル名を指定することで、カレントディレクトリ内に対象のファイルをダウンロードすることができます。
ファイルを編集する vim コマンド(テキストエディタ)
$ vim /etc/sysconfig/clock
“vim 編集対象のファイル”と打つことで、ファイルを編集することができます。vimはテキストエディタなのですが、例えばwindowsのメモ帳などと比べるとかなり癖がありますので、簡単に使い方を紹介したいと思います。
まず、vimにはいくつかのモードがありますが、よく使うものは「コマンドモード」と「挿入モード」の2つです。
- コマンドモード:vimを終了するなどのコマンドを入力するモードです。vimを立ち上げたときはこのモードになります。
- 挿入モード:文字の入力や削除を行うなど、ファイルを編集するモードになります。
最低限、以下の使い方を覚えておくとよいでしょう。
- コマンドモードにて文字編集を行いたい箇所まで矢印キーで移動し、”i”を押して挿入モードに入る
- 編集を行い、終わったらEscキーを押してコマンドモードに戻る。
- “:wq”と押して、ファイルを保存しつつvimを終了する。
なお、これ以外にも、複数行を削除したり、文字検索を行ったりなど、多様な機能がvimにはあります。vim使っていく中で、インターネットで調べたりしながら、徐々に使い方をマスターしていくのがよいと思います。
また、どうしてもvimに慣れることができない場合には、もちろんLinuxには他のエディタも多数ありますので、調べてみるのがよいでしょう。
今回は以上です。今回紹介しきれなかったコマンドについては、次回紹介したいと思います。